小説『店長がバカすぎて』が面白かった【本好き・書店好きな人にオススメ】

小説欲が湧いている今日この頃、今回は小説『店長がバカすぎて』(早見和真)を読んだ。中規模書店で働く主人公と、おバカな店長、二人を取り巻く仲間、お客様との日々を描いた書店員の奮闘コメディ物語だ。

奮闘コメディだ、と書いた通り、確かにコメディ色があって、ユーモアのある作品であることは間違いない。だけれども、コメディだけに終わらないところが良かった。というかコメディな装いをしていながらとてもハートフルな作品だったような気がする。また、話の展開にミステリー色もあり、終盤にかけて読む進める手が止まらなくなった。序盤はクスクスと軽い気持ちで読んでいたけれど、中盤から終盤に向けては色々なことに考えを巡らせながら読んだような一冊だった。

書店員として働くということの報われなさのようなものがある中で、「本が好きだ」というその一点で支えられているというような描写があって、自分にはその辺りが響いた。社会はそれをやりがい搾取と呼んだとしても、自分にとってはその一点だけが安心していられる場所なのであり、「本を売る」という目標に向けて動いている時だけは、自分を肯定していられるのだ。働いていれば、辟易とすること、怒りを感じる瞬間、もう辞めてやると思う瞬間がある。でもそれでも、好きなものに触れて仕事ができていれば頑張れる。自分の働き方とか、自分なりの自己肯定感とか、そういうものを主人公に重ねながら読んだ。

主人公のようになりたいと思えたし、店長のように生きたいとも思えた。笑ったりジーンとしたり、この小説を読んでいる間に随分と心を動かされたような気がする。日々の仕事なんてものは、部分で切り取ってみれば淡々としたものである。けれども、その何気なくすぎてゆく淡々とした日々の中に、迷ったり、葛藤したり、諦めたり、頑張ろうと思えたり、憧れる気持ちだったり、いろんなものが本当は詰まっている。この小説を読んでいて、日々をもう少し楽しく、味わっていきたいと思えた。

おわり。

p.s
今回から、記事の書き込み方として「見出し」を省くことにした。その瞬間に思ったことを整理せずに書きたいからだ。実際に今殴り書きで書いてみたところ、自分で読んでもよく分からないことを書いていると思う。何が言いたいのか分からない。でもそれを大事にしようと思う。今後は、その瞬間思ったことをただ書く、という練習をしつつ、問いを持って考えながら書く、というレベルに達することを目標にしたい。書くという行為を通じて自分自身と対話できるような、そんなツールとして、場として、このブログを使っていきたい。それでは。